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Yutaka Kubota


第1部

3

指揮法の基本テクニック U




指揮の真髄・打法とは/「叩き」「指揮者の筋肉」について

「叩き」の完全なマスターのためのトレーニング

指揮者の筋肉」をつくる/叩きの段階的修得と連続叩きへの道!


                                

打法ってなに

1)指揮の明確な運動は打法で表す

打法とは指揮のテクニックでは叩きといい、落ちたボールが床で跳ねる運動を腕で
真似ることによって音の出る点を明確に知らせる指揮の動きである。


2)指揮のテクニックは2種類に大別される


a)間接運動


指揮の基本となるもので、点前運動がある運動をいい、普通はこの運動を用いる。
叩き、平均運動、しゃくい等


b)直接運動
 
特殊な表現、点の明示、テンポの指示などに用いる運動で、点から突然に運動が
起こるもの。先入、引掛け、瞬間運動等

「叩き」のために「指揮者の筋肉」をつくるトレーニング

下の基本位置で指先を使って机を前方にひっくり返す要領で力を入れた時に使う、
肘のすぐ前方、
上方の幅3cm、長さ8cmほどの筋肉を鍛え、自由に力を入れたり、
抜いたりする訓練をする。


 1)基本位置の形のままでゆっくりと机を上記の筋肉のみで持ち上げながら力を
   最大まで入れてみる。 この筋肉はあまり使用しないので、何度も繰り返して
     筋肉をある程度発達させる必要がある。


2)次に1)の最大に力が入った状態に、すばやく到達するように瞬間的に筋肉を
    使う訓練をする。


3)筋肉を瞬間的に最大まで至らせることが出来るようになったならば、
    すべての力を抜き腕を机から離し下に落とす。

力を入れる瞬間と抜く瞬間はほとんど同時に起こるほどの時間差しかない。
ある程度の筋肉が出来てきた時点でこの動作を10回ほど続けた後に、机から手を離し、
空中で
同じ動作を行うと、腕は下の基本位置から跳ね上げた形で飛び上がり、
自然に減速後、落下に移り加速を加えながら下へ落ちてゆく。



この運動が予備運動と呼ばれるもので、曲の開始で正確なテンポとアンサンブルを
示すためのもっとも大切な動作である。


跳ね上がった腕が下の基本位置まで落ちて来た時に音が出るのであるが、ここを点という。

点まで落ちてきた腕を再び指揮者の筋肉で跳ね上げると、次の拍のための減速、
加速運動となる。

この運動の繰り返しを叩きという。


「叩き」のトレーニング

1回叩きから連続叩きへと練習を進める。

a)1回叩

跳ね上げた腕が基本位置に落ちてきたところで再び筋肉を使って跳ね上げた後自由に
下まで落とす。

b)2回叩き


跳ね上げ、落ちてくる腕を筋肉を使って再び跳ね上げ(1回叩き)、
もう一度落ちてきた腕をさらに筋肉で跳ね上げた後自由に下まで落とす。


c)3回叩き

上記の動作を三回行い腕を落とす。

d)4回叩き

上記の運動を4回行い腕を落とす。

e)連続叩

途中で腕を落とさないで、上記の運動を連続で行うことを連続叩きという。


連続「叩き」を自由に行えるようになったら叩きによる拍子図形のトレーニングを行う。

叩きでは、ハリのある拍子図形を振るために全て拍の点の点前点後運動をV字形で表す。
そのために「しゃくい」の図形では元気の良い動きでも親指の爪はつねに上を向いていたが、
 叩きにおいては点前点後運動方向に合わせて腕を切り返すことによって角度を変化させ
同一線上の動き以外は全てV字形になるように振る。

叩きによる拍子図形トレーニング

1)1拍子

縦の同一線上を上下する運動で、連続たたきの基本形と同じ運動。

2)2拍子

複数の図形で振ることが出来るが、しゃくいの2拍子図形から発展させる。

a)しゃくいの2拍子図形をV字形になるように点前と点後運動の方向を腕を
  切り返しながら振る。


b)点を中心としたV字形の角度が大きく開いても腕の切り替えしの角度を自由に
  振れるように。


c)腕の切り返しの角度を少なくして行き幅の狭いV字形になると、クッキリとした
  ハリを表すことが出来る。

d)よりくっきりとした表現のために1拍目を縦におろし2拍目だけを右に開く。
  このとき1拍目の点後運動と2拍目の点前運動は1拍目の点前運動の半分くらいの
  距離にして、それぞれの拍の違いを明確に示す。


e)歯切れの良い鋭い表現は1、2拍共に縦の同一線上を動く。点前点後運動の距離は
  d)に同じ。


3)3拍子

しゃくいの3拍子図形を各拍V字形になるように腕の切り返しを行いながら振る。


より鋭い叩きの場合は、全ての点を1拍目と同じ場所に集めて振る
「一点に集めた3拍子」もある。


4)
4拍子

しゃくいの4拍子図形を各拍V字形になるように腕の切り返しを行いながら振る。

より鋭い叩きの場合は、全ての点を1拍目と同じ場所に集めて振る
「一点に集めた4拍子」もある。


4拍子にはテンポの速い曲や、1,3拍を強調する時などに用いる「省略図形」もあり、
振り方は


1、2拍が縦の同一線上で動き、3、4拍は3拍の点前運動上を往復する。

2、4拍の図形の大きさは1、3拍の半分ほど。また場合によってはほんの僅かしか
動かない場合もある。


他の拍子図形もしゃくいの図形を腕のV字形の切り返しによって叩きの図形に変えることが出来る。


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